【ヘルマンリクガメ】エサを食べない原因と対処方法
リクガメちゃんがエサを食べてくれない。たくさん食べて元気になってもらいたいけどどうしたらいいの?
リクガメはデリケートな生き物ですのでちょっとした環境や体調の変化により食欲不振になってしまいます。
さまざまな原因が考えられるため、臨機応変に対応する必要があります。
【この記事を書いているヘルマンじろーについて】
ヒガシヘルマンリクガメのかめじろうと生活して4年目になりました。
まったくの初心者だったのでリクガメと名前のつく本はほぼ全て目を通し、特にヘルマンリクガメの知識を身に付けてきました。
実際にエサを食べなくなったかめじろうがエサをバクバク食べるようになった方法を踏まえて、情報をシェアできたらと思います!
この記事ではヘルマンリクガメがエサを食べなくなった原因と対処法について解説していきます。
この記事を読むことで「食欲がないリクガメちゃんがエサをバクバク食べて、安心して幸せに過ごす」ことができます。
まず結論からお伝えします。
◎エサを食べない原因
- 温度や湿度などケージ内の環境不良や体調不良が原因でエサを食べなくなっている
- 同じエサが続いたり嫌いなものばかり与えられるので食べたくない
◎エサを食べない時の対処法
- ケージ内の環境設定を見直して、体調を崩していないか健康チェックをする
- 与えるエサの種類を変えたり、盛り付け方を工夫する
【エサを食べない原因】ケージ内の環境不良、体調不良、好き嫌い
順番に深掘りしていきます。
リクガメには種類に応じて最適な温度・湿度があります。
ケージ内の環境設定が不十分だとエサを食べてくれないケースもあります。
温度が下がると体温も下がるので、代謝が悪くなります。
カメは変温動物であるため、温度によって消化速度が異なる。(中略)
すなわち、外気温が低い時は代謝が落ちるため、病気などにもかかりやすくなるということを示している。
珍獣の医学・田向健一・扶桑社・2010/12/25
代謝が悪くなり消化速度が遅くなることが食欲不振につながります。
リクガメは直接水を飲むだけでなく、空気中からも水分補給をします。
エアコンを使う夏や乾燥しがちな冬は湿度管理をしっかりしましょう。
リクガメも体調が悪いと食欲がなくなります。
排泄物の頻度や量、運動不足など意識して観察しましょう。
リクガメは総排泄孔と呼ばれる部位からおしっこ・ウンチ・尿酸の排泄を行ないます。
健康なリクガメの排泄
→おしっこ・尿酸:ほとんど毎日
→ウンチ:2〜3日
便秘や尿酸の排泄に問題があると食欲が落ちる場合があります。
野生のリクガメは想像以上に移動しているといわれます。
現在のところ「ヘルマンリクガメの1日の移動距離」が報告されている研究はありません。
でもケージの中はぼくたちにとって狭すぎるよ〜
しかしケージの中で生活しているリクガメが満足に活動できていないのは容易に想像できます。
運動不足は食欲不振や便秘などさまざまな健康被害を引き起こします。
リクガメ関連の本を読んでいると「嗜好性が高い」とよく記載されていますが、平たくいうと「好き嫌いが多い」ことを指します。
ヘルマンリクガメも個体差はありますが好き嫌いが多いです。
さらに同じエサばかりだと食べ飽きてしまうこともあります。
お腹が減ってても「嫌いなもの」や「食べ飽きたもの」は食べたくないの〜
かめじろうの場合はバジルや小松菜の茎の部分は嫌いなようで食べません。
また一時期、小松菜を与えすぎて小松菜だけでは食べてくれない時期もありました。
ケージの環境を見直し、体調不良を改善した上でエサの種類や与え方を変えてみる
エサを食べない原因が分かったところで、対処法について説明していきます。
順番に掘り下げて説明していきます。
ケージの環境設定では主に「温度」「湿度」が重要です。
ヘルマンリクガメを飼育する場合、ケージ内の温度は27〜30℃に設定しましょう。
またホットスポットは35℃に設定して、リクガメが自分で体温調節できる環境を作ります。
ヘルマンリクガメは温度27~30℃が最適!保温器具を使って快適な飼育環境を
野生では乾燥気味の環境に生息するヘルマンリクガメ。
飼育下では基本的に湿度を40〜60%に設定しましょう。
ヘルマンリクガメは湿度40〜60%が最適!霧吹き・換気・床材で湿度管理
エサの食いつきが悪い場合は一時的に湿度を60%前後に上げる方法もあります。
毎日の健康チェックをしながら、1週間を目安に行なってみましょう。
ぼくはそれで食欲が湧いてきたよ!
かめじろうもエサを食べない時期がありました。
そこで湿度を60%前後に上げることで食いつきが良くなりました。
軽度の脱水が原因だったと考えています。
リクガメは他のペットと比べて表情や体調の変化が分かりにくいため、毎日の健康チェックが非常に重要になります。
ウンチや尿酸は出ているか、運動不足になっていないか改めて普段からチェックをしましょう。
もし明らかに普段より元気がなければ獣医さんに診てもらいましょう。
2〜3日以上ウンチが出ていなければ、便秘の可能性があります。
普段と比べて頻度や量を改めて確認して、便秘気味なら対策が必要です
- 食物繊維の多いエサを与える
- 水分の多いエサを与える
- 温浴をする
これらは排泄するのに効果があるといわれているので試す価値があります。
ウンチもですが尿酸が出ていない場合も注意が必要です。
尿酸は体内の水分が減ることで排出されにくくなります。
尿酸が出ていない最悪の場合、尿路結石になり手術が必要なケースもあります。
ヘルマンリクガメは尿酸結石ができやすい種類といわれています。
【ヘルマンリクガメ】謎の白いものが出た!正体は「尿酸」出ないと病気かも?!
ですので尿酸が結石化する前に対処が必要になります。
- ケージ内の湿度を60%前後に上げて脱水を防ぐ
- 水入れの設置方法を検討する
- 尿酸が出るまで毎日温浴をする
尿酸結石や予備軍のリクガメに対して、当院では尿酸を排出するまで毎日温浴をします。
ぼくも3日目の温浴で尿酸をたくさん出せたよ
尿酸があまりにも出てない場合は応急処置として毎日の温浴を検討してみてください。
温浴については賛否両論ありますが、信頼できる獣医さんが病院でも治療の一環として行なっています。
ケージで飼育されているリクガメは自分で動ける範囲が制限されます。
ベランダやリビングで散歩をさせるだけでも運動不足解消の効果が期待できます。
また屋外を散歩させることで紫外線を浴びることができます。
紫外線はリクガメの成長や健康維持に欠かせないので積極的に行いましょう。
【ヘルマンリクガメと紫外線】綺麗な甲羅と健康な体のために必須!
他のペットと比べるとリクガメは表情の変化が読みづらいですが、健康チェックを毎日していると体調の変化に気付けます。
普段よりも元気がないと感じたら、早急にかかりつけの獣医さんに診てもらいましょう。
「取り越し苦労」くらいが丁度いいです。
リクガメは嗜好性が高いため嫌いなエサや食べ飽きたエサは食べないことが多いです。
ケージ内の環境や体調に問題がない場合はエサの種類や与え方を改善しましょう。
そこでリクガメが好きである野菜を混ぜて与えてみましょう。
- トマト
- パプリカ
- ズッキーニ etc…
かめじろうだけでなく他のリクガメも好きといわれる野菜です。
「トマト」「パプリカ」「ズッキーニ」はどれも水分量も多いため、脱水や便秘の対策にも効果があります。
エサ全体の1〜2割程度にするのがおすすめです。
嗜好性が高いエサを与えすぎると栄養が偏るだけでなく他の野菜を食べなくなる可能性もあります。
ですので与える頻度や量は様子を見て調整しましょう。
【ヘルマンリクガメ】エサに野菜がおすすめの理由!デメリットも解説
リクガメフードは臭いや見た目などリクガメの食いつきが良い要素が多いです。
野菜や野草をあんまり食べない場合はリクガメフードをあげてみましょう。
- 水分補給のためにリクガメフードを少し水でふやかす
- エサ全体の1割程度に抑える
- 特に赤色や黄色が食いつきが良い
リクガメフードは栄養価が高いので与えすぎには注意が必要です。
たった少しの工夫で餌を食べる量が大きく変わることがあります。
それが「エサの盛り付け方」で個人的には1番に試して欲しい対処法です。
同じエサでも盛り付け方で食欲が全然変わるよ。
食べやすいように盛り付けてもらえるとパクパク食べれるよ!
いきなりですがクイズです!
下の画像の①と②では、どちらの方が食いつきが良いでしょうか?
・
・
・
・
答えは2番です。
ただ平らに置くよりも、リクガメが口にしやすいように立体的に盛り付けると良いでしょう。
盛り付けが変わるだけで食欲が全然変わるんだよね!
リクガメ目線で考えると答えが見つかることもあります。
普段から健康チェックを怠らずに、健康的で幸せに生活してもらえるようにサポートしましょう。